Thursday, August 19, 2010

生活

生活と人生とは違う。明石は始めて喀血した夜の酒場をふいに思い出す。同窓生たちは彼が病気の間、一度も見舞に来てくれなかった。彼が病気にかかったことさえ、たぶん知らなかったのであろう。連中はあの日と同じように今日も生活を持続しているだろう。連中は戦争に行った時、人生にふれ、人生を消耗してしまったにちがいない。俺もふたたび娑婆に出れば、どれだけ生活の中で人生を持続できるかおぼつかない。
――遠藤周作 『満潮の時刻』



生活の中に人生を見出せないのが現代の(一部のあるいは大部分の)病なのかもしれない。

でも、

人生が消耗することを、生活のせいにしたところで何も解決しないだろう。
人生は生活がなければ成り立たない。

いのちがなければ、その意味なんて。

人生にばかり目が眩んで、生活が見えない。
いま、私に必要なのは、人生よりも、生活に違いない。

生活を成立させていれば人生がどうであろうと、合格。
人生を追求して生活が儘ならぬなら、人間失格。

そういう世の中だから。

Saturday, August 7, 2010

今月観た映画〈6-7月〉

最近は映画レビューブログの様相を呈していますが、そんなつもりはありません。書きやすいねたを書いていたらこうなってしまった。

ところでこの夏休みはひたすらインプット(主に小説と映画。と、卒論関係の…)の多い夏にしたいです。
おすすめの小説や映画があったら教えてください♪

ということで6-7月に観た映画の備忘録。感想はてきとう。書き残すことがだいじ。

〈映画館〉

アデル
リュック・ベッソンと知らずに観たらおもしろかった。主役の女の人すてき。ああいう女性になりたい。

インセプション
傑作。内容がよかったのはもちろんだけど、あれだけすごい映像なのに3Dとか無駄に流行りに乗っていない点が素晴らしい。あと日本人である必要のない役にあえて抜擢された渡辺謙は素敵。

SR サイタマノラッパー2 女子ラッパー傷だらけのライム
なんか見に行くことになっちゃった映画。って感じで何も知らず、何も期待せずに見たら意外と面白かった。最後の救いはなかった方がよかったなーとは思ったけど。1が見たくなった。

〈DVD〉

Little Miss Sunshine
別記事

人のセックスを笑うな
別記事

The Royal Tenenbaums
愛する「ダージリン急行」のウェス・アンダーソン監督の作品。テーマも似てておもしろかったけど、ダージリン急行の方すき

2001年宇宙の旅
噂に違わずすごい。美しい。

グーニーズ
楽しかった。LOTRのサムだったのねー。でもなんか悪者三兄弟の末っ子の描写がなー。落としただけじゃあんなにならないでしょ、、

イレイザーヘッド
学科の先輩のおすすめ。謎。こういうのどうやったら理解できるんだろう。どこまで理解を要求されてるんだろう。

おくりびと
別記事

ハーフェズ ペルシャの詩
別記事

ボルベール〈帰郷〉
色がきれい。殺人の扱いがちょっと軽すぎる気がした。

パリ、恋人たちの2日間
ひたすら楽しい。フランス人の恋愛ってこんななの!?

dot the i
ガエル・ガルシア・ベルナルの笑顔は罪。ズキュンズキュン

トランシルヴァニア
すばらしすぎる。詳細は別記事

JUNO
適度なドライさが心地良い。主役の子、インセプションに出ててびつくり

Jellyfish
テルアビブが舞台のお話。ちょっと消化不良。。

潜水服は蝶の夢を見る
こういうのにありがちな、無理な泣かせがなくてよい。フランス語ってきれいー。原作が読みたくなる映画。

チャーリーとチョコレート工場
家にあるDVD。見るのもう30回目くらい。台詞もだんだん覚えてきた。ウンパルンパ最高。