Sunday, December 27, 2009

他者のことば

最近postが多い気がしますね。なんでだろう。年末とは関係ないはず。

てか今回ほど感慨のないクリスマス、年末、って、今までなかった気がする(去年のトーゴで迎えたのを除く・・・もしくはそれと同じくらいかも)。世界一周の一年を経て、いろんなものに対して淡泊になったような気がしなくもない。ただしbefore-afterみたいに比較できるほど、自分の過去が明確に固定されたものとしてあるわけじゃないからよくわかんないけど。
とにかく今年はクリスマスのわくわく感とか、まったくなかった。日本の大半の人びとは、自分が何について祝っているかを自覚してあんなに浮かれているのだろうか(反語)。クリスマスがカップルの一大イベントなのは、ジーザスが伝えた「愛」を体現するためなのであろうか(反語)。まあ、バレンタインなどに並ぶ、カップルが「とくべつ」を正々堂々と実行できるいい口実、っていうのはわかりますが。でも、自分の実存に無関係のことにあれだけ狂酔できるって逆にすごいことのような気さえしてくる。
私はといえばそんな日本人であることの後ろめたさを少しでも解消したいがために近くの教会のクリスマスミサに行きました。中高時代にあんなに反発していた言葉が、すごく心地よく響くのは何なんだろう。安心感みたいなものさえ抱く。結局わたしがlinger onできるものって、もはや刷り込みによって染み付いてしまったもの以外にないのかもしれないなあ。でもそれは私にとっては信仰みたいな、世界を規定するものというよりは倫理体系に近いものである上、絶望的な響きも持っているから、相変わらずクリスチャンになろうとは思いませんが。

Anyways, 前置きにもならないようなblabbingはこのへんにして。

今日は縁あって在日トーゴ人会のYear-end partyに呼んでいただいて、行ってきました。

日本にトーゴ人なんてひとりもいないと思ってたからそんな会の存在を初めて知った時は衝撃すぎたけど、今日行ってみたら、いたよいたよー、トーゴ人(複数形)!!! しかも日本語ぺらぺーらの人とかもいてびっくり。トーゴ訛りのフランス語が懐かしすぎて愛しすぎた。リスニング面はほとんど衰えていなかったようで嬉しかった一方、スピーキング面は基本フレーズを失念した事態によってかなりの危機感を覚える。てか最近知ったけどわたしが普通のフランス語だと思っている(いた)代物は多分にピジン的なものであるらしい。トーゴ訛りにならないようにとか、文法を正しくしゃべるとか、すっごいすっごい気をつけて頑張ってたつもりなんだけど、、無念でならない。

トーゴ料理も出て、懐かしいメニューを前に感涙にむせいだ反面、トーゴにいた時は見たことも聞いたこともなかったような料理もあって、私はトーゴについてまだまだ全然知らないことを改めて実感(あたりまえだけど)。そしてそういう実感を抱くとまた行きたくなってしまう。

All in all, 今日は日本でのトーゴコネクションを広げられたのでとてもよかった。エヴェ語とか本気で教わりたい。エヴェ語(だけじゃなくてほんとはKabyéとか他の現地語もだけど、とりあえずはエヴェ語)がわかるようになったら、見えてくる世界ががらりと変わるんじゃないかという確信にも似た期待がある。トーゴの公用語はフランス語だからフランス語ができればコミュニケーションには苦労しないけど、結局トーゴでフランス語を介して見える世界って、意図的に取捨選択されたという性格が強いものだから。相手を理解するには相手のことば(比喩的な意味も含めて)を理解することがものすごく重要。本を読む時に原典にあたるのと同じようなものだよね。それはある意味、事実の純化作業でもあると思う。

結局、今でもわたしをこんなにトーゴに惹きつけているものは、わけのわからなさなんだと思う。もっと知りたい、もっとわかりたい、そんな欲求がわたしを衝き動かしてるんだと思う。

そんなことを思う年の暮れである。

(K君、魔法のことばを教えてくれてありがとう)

3 comments:

  1. フランス語を介在することによってどのように取捨されているのか、という点も、それはそれで興味深そうですよね!

    ところで、トーゴ訛りのフランス語ってたとえばどんなですか?ぼく全然わからなかったんですけど…。

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  2. そうだねー! たぶんそれってトーゴの人たちの「自分」と「彼ら」との関係とか距離の取り方が反映されるから、すごく面白いと思う。ただそのためにはフラ語もエヴェ語もマスターする必要があるけど。。。

    トーゴ訛りのフランス語は、例えばinの鼻母音の発音が違ったり。フランスの中でもいろいろdialectはあるはずだから標準フランス語とかよくわかんないけど、とりあえずフラ語教材で聞くようなのとトーゴの人が話すのとでは違うよね。例えばmatinだったら、前者は「またん」みたいな発音で、後者は「まてん」に近いみたいな。Cinqも前者は「さんく」で後者は「せんく」みたいな。Demainも同じく「どぅまん」と「どぅめん」。あとはrが激しく巻き舌。おかげで私の名前が原音に近く発音されるという利点もあるけど。笑

    でもこういう発音の違いはかわいいもので、もっとちゃんとピジンな例は、(こないだパリジェンヌようこと話してて知った衝撃の事実なんだけど)トーゴ人が普通に使っている "Bon arrivé." っていう表現は本場おふらんすでは使わないらしいー! となるとこれはエヴェ語の表現をフランス語に直訳して使われるようになったのか・・・?と勝手に想像してみたり。
    あとようこはアフリカ人のフランス語って時々文法間違ってるよね、とも言ってた。。

    ということで、いわゆる普通の英語とアフリカ英語とを聞き比べると私もなんじゃこりゃーってなることを鑑みて、「アフリカのフランス語って別に普通じゃん?」と思ってしまうのはただ単に私のフランス語の修行が足りなくてわからないだけなのだと肩を落とすに至った次第です。

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  3. フランス語の訛りについて、いまさらですが。

    inはたしかに本国より「えん」に近い!でもフランスでも地方差あると思います。パリとリヨンでも発音違うと思いますし、そういえばぼくの高校の先生(ボルドー出身)は「えん」に近かった気も。

    むしろan/enの発音のほうが違いが耳につきました。フランスでは暗めの「あん」なのに、トーゴだと明るい「あん」なので、最初のころはよく前述のinと聞き間違えてました。cinq centとか、すごく紛らわしかったw

    たしかにBon arrivéはトーゴで初めて聞きました!最初びっくりしました。でもフランスにいるときはBienvenueもあまり言われた記憶がないんですけど、それはぼくがそういう状況に置かれなかったからかな…。

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