Tuesday, May 19, 2009

境界線の消失

時々、自分の目の前にいる人が誰なのかがわからなくなる時がある。
それは、大抵の場合、自分に近しい人。例えば、母。妹。彼氏。

「誰なのかわからない」の意味は、それを「客体として見ることができない」、と言い換えてみると、ちょっとしっくりくる。

あまりにも自分に近すぎて、「わたし」と「○○」という距離感ではもう捉えられなくなる。
極端に言ってしまえば、自分と相手の区別がなくなる。とけてなくなる。
ことばによって区切られている世界が、ダリの絵を動画にしたみたいにぐにゃぐにゃになって、「枠」がなくなる。

それは言葉によって、対立という基本概念によって世界を捉えることに慣れてしまった頭にはあまりにも斬新すぎて理解の範疇を超えていて、違和感すらあるけれど、わたしがずっと追い求めている「他者との境界線の消失」というのは、これなんだと、頭で理解するのではなく、体感する瞬間。

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