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Sunday, May 15, 2011

ルワンダの涙 Shooting Dogs

無力。圧倒的な差異。救いとは何か。


「自己犠牲は最大の愛なり」というキリスト教の原理以外に、白人をあそこに留まらせる原理はあるのか。

自分は誰に一番共感するか。
自分があの場にいたら、どうするか。
あの事態を止めるためには、誰がどうすればよかったのか。

Thursday, September 2, 2010

今月観た映画〈8月〉

今月は星もいれてみることにした。

無間道 Infernal Affairs
Directed by Andrew Lau & Alan Mak, 2002
★★★☆☆
友達のおすすめで借りた香港映画。どきどきわくわく! 
インセプションが夢と現実の境界を溶かしてしまったのと同じように、この映画にはウソとホントの境界はどこにあるのか考えさせられた。

リトルトウキョー殺人課 Showdown in Little Tokyo
Directed by Mark L. Lester, 1991
★☆☆☆☆
これも友達のおすすめ。ザ・オリエンタリズム! もう日本文化の描写が悲惨すぎて笑える。主役の白人が他のあまたの日本人を差し置いて一番日本の心をわかってる的な設定もサイコーもといpsycho! どんな昔の映画かと思ったら意外と1991年だった。


THE 有頂天ホテル
三谷幸喜監督, 2006
★★★☆☆
合コンで出会った男の子との最初のデートで、彼がばっちり下調べしてくれた映画館に行ったのにやってなくて、まじ微妙な空気になった思い出の映画。撮り方とか役者の動きが舞台みたい。松たか子、昔好きじゃなかったけど最近は素敵だなって思う。

リバー・ランズ・スルー・イット A River Runs Through It
Directed by Robert Redford, 1992
★★★★☆
名作。古きよきアメリカってこんなかんじなのかな。「古きよきアメリカ」のイメージは、私にとって「古きよき留学時代」のイメージでもある。今でも開拓時代のままのような景色が広がる世界で暮らした1年間。
アメリカでは釣りや狩りをする人=自然を愛する人みたいに描写されることが多い気がするけど、私はいつも違和感がある。釣りや狩りは、自然を愛することと相反するように思えるんだけどなー。
"We can love completely without complete understanding."
「愛」も「完全」も「理解」もそれ単独でとてつもなく難しすぎて、この台詞には太刀打ちできない。

チェンジリング Changeling
Directed by Clint Eastwood, 2008
★★★☆☆
アンジェリーナ・ジョリーが好き。彼女の華やかで情熱的な顔を2時間眺めたあとに鏡で自分の顔を見たら愕然とした。
フィクションだったらなんてことない映画だけど、実話に基づいてるっていうからすごい。母としての強さに感動、狂気の犯罪に恐怖。子育てが怖くなる。

この森で、天使はバスを降りた The Spitfire Grill
Directed by Lee David Zlotoff, 1996
★☆☆☆☆
これもある意味アメリカらしい映画。邦題が気に食わん!

スラムドッグ・ミリオネア Slumdog Millionaire
Directed by Danny Boyle, 2008
★★★★☆
ようやく見た。さすが名作と言われているだけあるのね。レストランで「インドの社会問題入門フルコース」を名シェフに注文したら、これが出てきそう。エンディングがインド映画っぽい。のかな? インドの女優ってほんとうにきれい。

ラヂオの時間
三谷幸喜監督, 1997
★★★★☆
おもしろかったー! 有頂天ホテルよりこっちの方が好き。キャスティングがいい。業界人が業界人を演じる空々しさもまたよい。三谷幸喜は緩急のバランスがうまいな。

BOY A
Directed by John Crowley, 2007
★★★☆☆
友達おすすめの映画。うーん。キレイに終わらせないのはよかったけれど。同情でもなし、共感でもなし、反感でもなし、何を感じればよかったのだろう。やるせなさ?

ぼくの大切なともだち Mon Meilleur Ami
Directed by Patrice Leconte, 2006
★★★★☆
フランス語だとそれだけで3割増ぐらいに見えてしまうのは置いといても、重さと軽さのバランスが絶妙でいい映画だった。クイズ・ミリオネアのシーンが「スラムドッグ・ミリオネア」と似てた(製作年はこっちの方が先だから真似とかじゃないだろうけど)。「パリ、恋人たちの2日間」でも思ったけど、フランス人てほんとにこんなにずけずけものを言うの?

善き人のためのソナタ Das Leben der Anderen
Directed by Florian Henckel von Donnersmarck, 2006
★★★★☆
人生を賭けるってこういうことか。闘うことってこういうことか。原題は「他人の人生」みたいな意味だと思うけど、そういうタイトルだと思って見るとまた感じ方も違う気がする。
1年間世界をぶらぶらしてた時にいろんな社会を垣間見て、私にとって譲れないものってなんだろうと考えて、それは「自由」かもしれないと思ったのを思い出した。

バティニョールおじさん Monsieur Batignole
Directed by Gerard Jugnot, 2002
★★☆☆☆
戦争の話だと知らずに見たからびっくりした。実話だったら感動だけど、フィクションとしてはあんまりかなあ。コメディタッチで描いてるのが余計にちょっと心を重たくしたような。

迷子の警察音楽隊 The Band's Visit
Directed by Eran Kolirin, 2007
★★★★★
すばらしい。やっぱり中東を舞台にした映画はなにより背景がすばらしい。あの色。ジャンルはコメディらしいんだけど、言葉少なな台詞のまわりに漂う哀愁が切なすぎてずっと泣きそうだった。そして最後のアラブ音楽が胸をぎゅーっと締めつける。色と音楽が最高。

ダージリン急行 The Darjeeling Limited
Directed by Wes Anderson, 2007
★★★★★
今のところ、「もののけ姫」と並んで世界で一番好きな映画。アマゾンで1000円になってたから買っちゃった♥ 家に届いてからはひらすら見てた。やっぱり最高。この映画だけは、なぜか何がいいのかうまく言えない。部分じゃなくて全体なのだ、という言い訳。

Saturday, August 7, 2010

今月観た映画〈6-7月〉

最近は映画レビューブログの様相を呈していますが、そんなつもりはありません。書きやすいねたを書いていたらこうなってしまった。

ところでこの夏休みはひたすらインプット(主に小説と映画。と、卒論関係の…)の多い夏にしたいです。
おすすめの小説や映画があったら教えてください♪

ということで6-7月に観た映画の備忘録。感想はてきとう。書き残すことがだいじ。

〈映画館〉

アデル
リュック・ベッソンと知らずに観たらおもしろかった。主役の女の人すてき。ああいう女性になりたい。

インセプション
傑作。内容がよかったのはもちろんだけど、あれだけすごい映像なのに3Dとか無駄に流行りに乗っていない点が素晴らしい。あと日本人である必要のない役にあえて抜擢された渡辺謙は素敵。

SR サイタマノラッパー2 女子ラッパー傷だらけのライム
なんか見に行くことになっちゃった映画。って感じで何も知らず、何も期待せずに見たら意外と面白かった。最後の救いはなかった方がよかったなーとは思ったけど。1が見たくなった。

〈DVD〉

Little Miss Sunshine
別記事

人のセックスを笑うな
別記事

The Royal Tenenbaums
愛する「ダージリン急行」のウェス・アンダーソン監督の作品。テーマも似てておもしろかったけど、ダージリン急行の方すき

2001年宇宙の旅
噂に違わずすごい。美しい。

グーニーズ
楽しかった。LOTRのサムだったのねー。でもなんか悪者三兄弟の末っ子の描写がなー。落としただけじゃあんなにならないでしょ、、

イレイザーヘッド
学科の先輩のおすすめ。謎。こういうのどうやったら理解できるんだろう。どこまで理解を要求されてるんだろう。

おくりびと
別記事

ハーフェズ ペルシャの詩
別記事

ボルベール〈帰郷〉
色がきれい。殺人の扱いがちょっと軽すぎる気がした。

パリ、恋人たちの2日間
ひたすら楽しい。フランス人の恋愛ってこんななの!?

dot the i
ガエル・ガルシア・ベルナルの笑顔は罪。ズキュンズキュン

トランシルヴァニア
すばらしすぎる。詳細は別記事

JUNO
適度なドライさが心地良い。主役の子、インセプションに出ててびつくり

Jellyfish
テルアビブが舞台のお話。ちょっと消化不良。。

潜水服は蝶の夢を見る
こういうのにありがちな、無理な泣かせがなくてよい。フランス語ってきれいー。原作が読みたくなる映画。

チャーリーとチョコレート工場
家にあるDVD。見るのもう30回目くらい。台詞もだんだん覚えてきた。ウンパルンパ最高。

Thursday, July 22, 2010

トランシルヴァニア

Tony Gatlif監督、2006年、フランス

ひとつ 言葉を与えるたびに
ひとつ 何かが失われてゆく

そんな気がして
なにも書けない なにも言えない

言葉を失うほどに すばらしい
心が 魂が 震える という表現は
この映画のためにあったのかと思うほど

Friday, July 9, 2010

ハーフェズ ペルシャの詩

Abolfazl Jalili監督、2007年、イラン・日本合作

こんなにロマンチックな映画みたことない!

それから映像がとてもきれい。
あの、中東の"なにもなさ"が、映像を純化しているような気がした。中東って言っても私が行ったことあるのは西の方(※)だけだけど、映画を観る限りではイランもそれなりに似てる感じがする。

あまりにも社会のルールが異なりすぎて、戸惑いもあるのは確か。
映画に出てきたような社会では、その社会のルールを破ることはコミュニティからの疎外つまり社会的な死を意味する、みたい。その死への恐怖から、伝統を固持し守ろうとする力が働くのかな、となんとなく。
それをも超えるものとして、恋や愛はあり得るのだろうか。古今東西、そういう物語は無数に紡がれているに違いないけれど、日本では社会的日常の中に恋愛が完全に組み込まれてしまっていて(性的マイノリティにとってはそうではないかもしれないけど)、そうではない社会のことを想像するのは、少なくとも私にはとてつもなく難しい。

愛や悲しみや痛みは、どれだけ文化的差異に依存しない普遍的なものであり得るのだろう。
と、遠い国の話(現実でもフィクションでも)を見聞きする度に思う。

恋愛に性(実際に行為に及ぶか及ばないかは問題ではない)はつきものっていうのはたぶん、普遍的に言えることなんじゃないかと思う。でも、恋愛ってそれだけじゃないはずで、それを仮に精神的紐帯と呼ぶなら、その質は(個人差は当然としてもそれ以上に)文化によってあまりにも違うような。

--
※「西の方」って言ったけど、中東の範囲って正確にはどこからどこまでだろ?と思ってGoogle先生に聞いてみたら、広義には北アフリカも中東って呼ばれることもあるのね!(出典:ウィキペディア) 私が言う「西の方」は狭義の中東の西の方です。

Thursday, July 1, 2010

おくりびと

滝田洋二郎監督、2008年

想像してたのとだいぶ違った。いい意味で。ちょっとキレイすぎかとは思いつつ。
いろんな死の形があるんだなって思った、って小学生みたいな感想だけど。

納棺師に限らず、死と近いところで仕事してる人って、死に慣れて鈍感になっちゃうのかと思ったりするけど、先日そういう職業のひとつに就いている知り合いの方が「でもやっぱり自分の母親の時は全然違いましたね」って仰っていたのが最後のシーンと重なった。

こういう仕事の人たちは、遺族が悲しむ姿を見て、もらい泣きとかしちゃいけない。
そういう意味で、「共感しないこと」が求められているような気がした。他者の痛みに鈍感にならなきゃいけない。んじゃないか。

否、その逆で、心の底には深い共感がなければつとまらない仕事なのかもしれない。それが他者へ配慮することであり死者や遺族の尊厳を保つことであるという意味なんだとすれば、そうなんだろう。主人公とか社長とかそういう感じだし。

でもやっぱり、ここで求められているのは相手にぴったりと寄り添うこととは違う。苦しみを共に背負うこととは違う。距離が、壁が、求められている。

よく考えてみると、プロフェッショナルとして相手と近づきすぎちゃいけない職業って、死にまつわる仕事だけじゃなくて普通にいっぱいあるような気もしてきた。

いかに共感しないか、とか今まで考えたことなかった。


・・・てかうーん、なんか、言葉のつかい方が雑でごめんなさい


広末の演技だけはほんとに嫌だった。

Monday, June 28, 2010

人のセックスを笑うな

井口奈己監督、2007年

前から気になってたDVD第二弾。

なんかもう、自然体すぎてヤバイ。

気はずかしさと共感の二語に尽きる。
こんなに登場人物の全てに感情移入できるお話って珍しい気がする。
だからこそ、感想を言葉にすることすらはずかしい。

とりあえず、たぶん、名作。

邦画もたまにはいいなあ。

Little Miss Sunshine

Directed by Jonathan Dayton & Valerie Faris, 2006

久しぶりにDVDを借りようという気になって、前から何回も手に取ってみたけど結局棚に戻してたのを今日はとうとう借りてみた。

家族みんながそれぞれloserになるんだけど、それでもいいじゃん、みたいな話。
ストーリーは普通だったけど、映像の色づかいと、間のとり方と、細部にちりばめられたユーモアがすごくよかった。
Dweyneが最高。彼のloserエピソードのシーンが私の中でのベスト。
あとちょっとプルースト読んでみようかって気になった。笑

Sunday, December 27, 2009

AVATAR

見てきましたっ キラーン

感想を一言で言うなら、おもしろかった!
しかも六本木ヒルズの映画館で3Dメガネとかかけて見ちゃったので、迫力もあって映画館で見た甲斐がありました。現代のCG技術はんぱない。

もう夜も遅いのでメモ程度に, "while it's still fresh." すごく乱暴なメモなので、後日ちゃんと書きたい。
(内容知りたくない人はこの先読まないでください。思いっきりねたばらしです)

もう、完全に西洋の 文明 vs 野蛮 の構図。ポカホンタスじゃん!みたいな。
主人公たち「いい者」は、「悪者」に対して「彼ら(ナヴィ)は野蛮じゃない!」みたいなこと言ってたけど、ストーリー展開は完全にもうその二項対立の中で進んでいってた。

まずはナヴィ(パンドラ星の住民。青い人たち)の描写。「いかにも」原住民、的な描き方。儀礼のシーンとか、あの「いかにも」エキゾチックな感じ、もう少し何とかならないのか。

「自然」(この言葉の細かいことは今は置いておいて・・・)と「調和」的に暮らしている人びとは、必ずなんか非文明的な要素を本質的に持っている(持たされている)気がする。それは結局、今のような文明と自然とは共存しえないという、現代に生きる私たちへの死刑宣告なのか。

てか、グレースがナヴィたちを擁護する意図で「彼らのやってることは迷信じゃない!」と言ってたんだけど、その英語のセリフが "It's not voodoo." 的な内容だった件について。。Voodooは迷信なのか!?

「文明 vs 野蛮」の二項対立を温存しつつも「文明=善 vs 野蛮=悪」とは信じきれなくなったポストモダンの、近代の呪縛と価値喪失の苦悩。(とまではいかないかな?)

最後に人間が「負け」てパンドラから去っていっても、結局は「文明vs野蛮」の対立は解消されていない。調和、もとい止揚は訪れない。

そしてなによりがっかりしたのは、最後の最後に主人公ジェイクが人間の体を捨てて(失って)完全にナヴィになってしまったこと。ずっと「異質な他者」としてのアイデンティティを保って生きていってほしかった。そういう「異質な他者」が生きうるという希望を私たちに見せてほしかった。結局、「こちら」か「あちら」か、ここでもそういう二項対立しかない。止揚は訪れない。
てか、人間としてパンドラに残った人たちはどうやって生きていくんだろ?

ナヴィの世界観はちょっとナウシカっぽかったかも。ナヴィになりたいー。

てかこの映画が今の環境ブームと相俟ってエコの文脈でもてはやされたりしたらちょっと残念、なんとなく。

いろんな意味で目新しさはなく、ストーリーも「いかにも」ハリウッドってかんじだったものの、それはそれなりに楽しめたし、とにかく映像がすごくって、それを見るだけでも価値があったと思えるくらい。
批判してるように見えるかもしれないけど、見てよかったです。

Wednesday, November 4, 2009

沈まぬ太陽

寒くなりましたね。
暖房をつけたいのにこんな時に限って壊れてしまって、おんぼろ日本家屋の部屋は今日もしんしんと冷えこみます。母が救援物資を送ってくれたというので、復旧まではそれで命を繋ぐことができそうです。ありがたや。


さて。
「沈まぬ太陽」観てきました。
ひょんなことから2回も観てしまった。原作はまだ読んでいないので、純粋に映画の感想をば。
「社会派」と評されているけれど、それは具体的なトピックがそうっぽいだけで(そもそも「社会」って言葉自体が曖昧で何を指すのかよくわからなかったりするんだけど)、実際にはもっといろんなテーマが織り込まれていていろんな観点からappreciateできる映画だと思う。

わたしのappreciationは、主にふたつの視点から。

ひとつは、御巣鷹山の事故をめぐる遺族の描写を通して考えた、というよりは思い出したこと。あんまり映画そのものとは関係ないかもしれないけれど。遠藤周作の『深い河』を読んだ時に強く強くわたしを打ちのめした感覚。
世間から見たら何の変哲もなかったり軽蔑すらされていたりどんなに取るに足らないような人であっても、ひとりひとり、今までの人生めいっぱい分の、他の誰とも違う、その人固有の経験の中に、喜びがあり、学びがあり、悲しみがあり、苦しみがあり、痛みがあり、それを背負いながら今を生きている。他者の背負っているものの中身を理解することはできなくても、その重みには常にawareでいたい。"Only one" という俄かに流行りの言葉を使うとしたら、それは自分のためではなく、他者と向き合う姿勢として忘れずにいたい。

もうひとつは、就活中の身ということもあって、いわゆるワークライフバランス的なものについて。
家族を犠牲にすることの上に仕事が成立する、って、どういうことなんだろう。なんでそうなっちゃうんだろう。主人公の恩地が象徴しているであろう数十年前 のサラリーマン像(とそれを生んだ社会システム)については、このワークライフバランスに対する考え方次第で評価が二分される気がする。「矜持」を美学 と見ることも、身勝手と見ることも可能。恩地の妻の「わたしだって、いっぱい我慢、してたんですよ」という言葉が沁みた。
何かひとつのものごとを選んで信じて突き進むことができるのってすごいことだと思うけど、バランス感覚を持って生きていくのも至難の業よね。でも、案ずるより産むが易しなのかなあ、もしかして。ううむ。

(余談:でもでもっ 恩地の置かれた時代や文脈を無視することが許されるならば、僻地勤務は羨ましすぎる! カラチ・・・は今危なそうだから置いとくとしても、テヘラン(・・・も危ない?)とかナイロビとか行きたすぎる。)


*** R.I.P. Claude Lévi-Strauss ***

Monday, August 10, 2009

Tsotsi

ギャビン・フッド監督、2005年、南アフリカ・イギリス合作

ストーリー(Yahoo! 映画より)
南アフリカ、ヨハネスブルクのスラム街に暮らすツォツィ(プレスリー・チュウェンヤガエー)は、仲間とつるんで窃盗やカージャックを繰り返していた。ある 日、高級住宅街にやってきた彼は車を運転していた女性を撃って逃走。やがて、強奪した車の後部座席に生後間もない赤ん坊がいることに気づいたツォツィは、 赤ん坊を紙袋に入れて自分の部屋に連れ帰るが……。

***
ストーリーは、普通。見たことのある映画の中では「ある子供」とかと似ているかんじ。
エンディングはわりとキレイだけど、原作ってノンフィクションなのかな? こんなキレイなことが実際に起こったことだとしたら、ちょっとすごい。

それにしても、見る前から予期してはいたけどやっぱり目を見張ったのは南アの発展ぶり。
スラムの再現性って、どれぐらいなんだろう。ツォツィの家の中とか、トーゴの中流階級(と言ってもいろいろあるので、中の中くらい?)の家よりもインテリア充実してた気がする。
行ってみたいな。

Thursday, July 9, 2009

時計じかけのオレンジ

Clockwork Orange
スタンリー・キューブリック監督、1971年

とにかくわけがわかんないって聞いてたから「マルコヴィッチの穴」的なわけのわからなさを想像して見たら、それなりに理性でも理解できる程度の、それでいて他にはないような独特さを持った、不思議な世界だった。

最後まで飽きる隙を与えないストーリー展開。
独特の言葉遣い。こういう言葉遊び的なものって、外国語に訳すときすごく難しいんだろうなぁ。

映画に詳しくも何ともないわたしの印象では、ティム・バートンもこういう系列かな、と思ったんだけどどうなんでしょう。「チャーリーとチョコレート工場」とか、「スウィーニー・トッド」とか。

Thursday, July 2, 2009

ナルニア国物語 第2章:カスピアン王子の角笛

アンドリュー・アダムソン監督、2007年

一作目を観たのが昔すぎてあんまり覚えてなかったけど、なんとかついていけた。

「自然vs人間」みたいな構図が意識されているのかいないのか。
でもそれより何より「正義vs悪」という構図が圧倒的に前面に出ていて、最後には正義が勝つというのが、やっぱりディズニーだし、やっぱりファンタジーだな、ってかんじ。

自然を擬人化しすぎてた(川とか木とか花びらが人の顔を持つ)のがちょっと気になったけど、ディズニーだってことを割り切ってその中に没入してしまえば、どきどきわくわくでおもしろい映画。
何よりカスピアン王子がかっこよかったからよし。

***
ところで最近映画のレビューが多いのは、水曜日にTSUTAYAが半額になるので、毎週1本DVDを観ることにしているからです。

Wednesday, June 10, 2009

My Blueberry Nights

ウォン・カーウァイ監督、2007年

Jude Lawがかっこよすぎた。
ストーリーはいまいち。

Saturday, June 6, 2009

ダージリン急行

The Darjeeling Limited
ウェス・アンダーソン監督、2007年

すごいおもしろかった。
こういう物語の紡ぎ方、すき。

批判は言葉にしやすいけれど、
「すき」を言葉で説明するのは難しい。

Thursday, May 28, 2009

INTO THE WILD

ショーン・ペン監督、2007年

旅に出て間もない頃の日記で、わたしはこう書いた。

2008年5月6日
な んか。何も残さずにただひっそりと死んでいくのもいいかな、とか生まれて初めて思ったりしている。今まであまりにも多くのものにしばられすぎていたかもし れない。本当に、絶対に、譲れないものってなんだろう? 失ってしまえば、それはそれで生きていけるものなんだから。もっと多くのものを、自分から手放せ るようになれたらいいだろう。

2008年5月20日
できるだけ目立たぬよう、小さくなって小さくなって、森の中や山の中でひっそりと生きて死んでいくのもいいかもしれないな、と思ってしまう。

*** 

彼は、「自由」を求めて、「真実」を求めて、「完全」を求めて、旅に出た。「社会」という茶番から抜け出すために。

でも、結局抜け出せなかった。もっと正確に言うと、抜け出してはみたけれど、抜け出すことで同時に失うものに、打ち克つことができなかった。

完全なんてありえない。完全なんて幻想でしかない。
それなのに人間はその幻想に酔いしれ、それを求める。
99%の幸せと、1%の不幸を見比べて、自分は不幸だと言う。

彼は完全な自由を追い求めた。
でも、本を捨てなかった。自分と他者とのつながりを断ち切れなくて。
「完全な自由」は、幻想だった。

"HAPPINESS ONLY REAL WHEN SHARED"

彼は生きようとしていた。
だけど、他者から自分が生きていることを認められなければ、もはや、「生」と「死」という区別さえ無意味なのだ。
だから彼は書き遺した。死ぬ前に自分の写真を撮った。自分の存在を他者に認めてもらいたくて。

***

"TO CALL EACH THING BY ITS RIGHT NAME"

なまえ。
他者とのつながりなんてなければ、名前なんていらない。
他者が自分の存在を認めていて、合意が存在していなければ、「正しい」名前なんてない。

***

彼は、「自由」を求めて、「真実」を求めて、「完全」を求めて、旅に出た。「社会」という茶番から抜け出すために。

お 金を稼ぐこと、お金を遣うこと、人間関係に翻弄されること、いい成績を取ること、出世すること、おしゃれすること、愛想笑いをすること、満員電車に揺られ ること、デッドラインに追われること、礼儀をわきまえること、空気を読むこと、言語を使うこと、何かを頑張ること、それらすべてが、茶番であっても、茶番 を生きる中でしか、他者と寄り添うことはできない。

茶番が真実なのではないかもしれない。でも、茶番の中でしか、触れることのできないものがある。
「にせもの」と「ほんもの」という二項対立は、現実の世界ではナンセンスだ。
そしてわたしたちが生きる世界は、「社会」という名の現実以外には、ない。

だから、それがいかに茶番であっても、他者と寄り添うために、そうすることでしか生きていけない自分のために、茶番を一生懸命演じていかなきゃいけない。

***

正直なところ、自分の旅と重ね合わせることがとても多かった。
だから、共感もものすごく多かったけど、どこか冷めた目で見ている自分もいた。
大泣き虫のわたしなのに、不思議と涙は出なかった。

自分の求めるもののために、突き進んでいく。
かっこいいかもしれない。
でも、そうすることで、多くの人の心の震えに、鈍感になってしまうことがある。
そして、自分が追い求めていたはずのもの、真実だと思っていたものを手に入れた時、それが「茶番」だったと気づく――。